朝日と夜と不安定な世界

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元々僕は、想像力が豊かな方だった。 そして、人とのコミュニケーションは苦手な方だった。 だから僕は、会話のシミュレーションをするようになった。 こう言ったならこう返ってくるだろう、これを言われたらこう返そう。 最初はそれだけのことだった。 だけどいつしか、仮想は空想へと変貌していった。 溜め込んだ言葉達は、僕の中で世界を創り始めたのだ。 だんだんと僕は、本当の世界の彼らと僕の中の彼らの判別がつかなくなっていった。 だけどそれと同じくらいに、二つの世界は遠ざかっていったのだ。 自分の行動に対してどのような反応をするかはだいたいわかっている。 当然だ。相手が反応しやすいようなリアクションをわざと取っているのだから。 だからいつまで経っても、自分の"心"に対してどのような反応をするかがわからないのだ。 そしていつかは相手の"心"もわからなくなっていくのだろう。 それでも僕は、何かを信じてみたかった。 僕の世界を。 僕は。僕の、僕を……
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