楽しい楽しい夏休みっ!……だったらいいのになぁ。

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奇しくも同じタイミングで跳び上がり、壁の破壊に挑む2人。 彼らの矛が壁を穿つ直前、 「「はぁぁぁぁあ!!」」 その壁が跡形もなく消え去った。 「「……え?」」 行き場を無くした力は重力に従って地面に向かい、 「「んなぁぁぁぁあ!?」」 大爆発を伴って辺り一面を吹き飛ばした。 そんな彼らを後目に、セレスティナとメリク、そして彼女らの嫌な予感に助けられた帝3人が土煙の中から姿を現す。 ちなみにジェイは壁が消えた瞬間にソラとリュウの所へ行くことで難を逃れていた。 「おー、無事だったか」 そこへ事を起こした張本人、リュウが声をかけてきた。 「あ、リュウさん。この方の治療をお願いします」 「あー、済まん。ちょっと用事ができちまって、これからすぐ行かなきゃならないんだ。今はこれで我慢してくれ」 そう言ってリュウは自分の肩と光帝の額に同時に触れた。 「それじゃあ行ってくる。……セレス、良かったな。《アクセル・フライト》」 「えっ?」 まさか自分に言葉が向けられるとは思っておらず、気付いた時には既にリュウの姿は空の彼方に消えていた。 「彼は何者なんですか?」 「……と言いますと?」 「ただ触れただけなのに、私の体が全部治っちゃってるんです。いくら応急処置が済んでいたとはいえ、この治療速度は異常ですよ」 そう言って光帝はセレスティナの背から降りて立ち上がる。 「……」 (あの人は隠す気があるのでしょうか……?) セレスティナはさっきまで焦っていた自分が情けなく思えてきた。 「……彼がセレスティナの言っていた『とある方』か?」 さっきの衝撃で負ったのか、頭から血を流しながらスミロノフが歩いてきた。 「え、ええ、まあ……」 「ふむ、そうか……」 「? どうかしましたの?」 「いや、彼がうちに来てくれたら全てがうまくいく、と思ってな」 「リュウさんがうちに……って!な、何をおっしゃってますの!?」 リュウとの生活を想像してしまい、またしても顔を赤く染めるセレスティナであった。
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