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オッサンの案内で歩くこと約三時間、空はもう夕暮れ近くなっていた。
道中は至って平和で、襲われる事はなかった。
すると、何やら巨大な白い壁が見えてきた。
「あれがアリー王国の外壁だ。城を中心とした直径約30kmの円形の城下町を丸ごと覆ってる」
すげー。
「さて、あれが見えたらもう近いぞ、後少しだ!」
りょうかーい。
それから更に30分後、何やら門にしては小さいがそれなりのサイズのある扉が、木々に隠されるような形であるのが見えた。
「あれが俺達の目指してた地下道の入口だ。元々馬車でも通れるように作ってあるからユニコーンでも通れるぞ。」
「なるほど。だが、それでもそんな大きな地下道なら、そこから出た途端に見つかるなんて事は無いのか?」
「それも大丈夫だ。あれは俺の家に繋がってるからな。」
ん?
「そんな事が出来る家なんて、お前、何者だ?」
その問いへの答えは、とんでもないものだった。
「あれ、言ってなかったか?はは、すまんすまん。俺の名は”グレイヴル・ザーカス・アリー”、この国の王子だ。」
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