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「ほほう、これが『国』の活気かや。700年前は全く見られぬものじゃったのう」
コクリはせわしなく首を動かし、街並みを見て回っている。
「これからお前もこの街に住むんだ、そんなことはいつでもできるだろ?それより早くギルドに行くぞ」
「うむ、承知したのじゃ。『ぎるど』とはどんな所かのう」
「ちなみに聞くが、どんな所を想像してる?」
「そりゃあ勿論、妾の退屈を晴らせる所じゃ。強き者との戦いなどがあれば最高じゃな」
じゃあ3割くらいは期待通りかな。
「ここが俺の所属してるギルド、『キングダム』だ」
「ふんふん、あまり強者の気配は感じられぬな。いったいどんな事をする場なのじゃ?」
「ざっくりと言えば、何でも屋かな。魔物の討伐が主だが、他にも住民からの依頼などを集めて、それを所属のギルド員が片付けていく所だ」
草刈りから遺跡の調査までな。
「……魔物を倒す者が集まる場所にしては随分と気配が弱いが?」
「その理由は入ればわかる。行くぞ」
このままギルドの前で話しているのもあれなので、コクリを連れて中へと入る。
「それじゃ、手続きするから待ってろよ」
「うむ、手短にの」
コクリを入口付近に立たせ、受付へと向かう。
どうやら受付嬢はソラではないようだ。
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