食材探しの旅。ついに国外進出。

33/38
前へ
/786ページ
次へ
「ほほう、これが『国』の活気かや。700年前は全く見られぬものじゃったのう」 コクリはせわしなく首を動かし、街並みを見て回っている。 「これからお前もこの街に住むんだ、そんなことはいつでもできるだろ?それより早くギルドに行くぞ」 「うむ、承知したのじゃ。『ぎるど』とはどんな所かのう」 「ちなみに聞くが、どんな所を想像してる?」 「そりゃあ勿論、妾の退屈を晴らせる所じゃ。強き者との戦いなどがあれば最高じゃな」 じゃあ3割くらいは期待通りかな。 「ここが俺の所属してるギルド、『キングダム』だ」 「ふんふん、あまり強者の気配は感じられぬな。いったいどんな事をする場なのじゃ?」 「ざっくりと言えば、何でも屋かな。魔物の討伐が主だが、他にも住民からの依頼などを集めて、それを所属のギルド員が片付けていく所だ」 草刈りから遺跡の調査までな。 「……魔物を倒す者が集まる場所にしては随分と気配が弱いが?」 「その理由は入ればわかる。行くぞ」 このままギルドの前で話しているのもあれなので、コクリを連れて中へと入る。 「それじゃ、手続きするから待ってろよ」 「うむ、手短にの」 コクリを入口付近に立たせ、受付へと向かう。 どうやら受付嬢はソラではないようだ。
/786ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17892人が本棚に入れています
本棚に追加