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むっ、何やら不幸な兄妹が助かったような気がする。
まあいいや。
とりあえずギルドマスター室の扉の前に着いたので、
「リクさーん、お邪魔しまーす」
ソラに倣ってノックをせずに扉を開けた。
「……ハァ……、ソラさん、あなたのせいで彼もああなっちゃったじゃないですか……」
「オレのせいじゃねぇだろ。おかえり、リュウ。依頼はどうだった?」
どうやら予想通りソラもここにいたみたいだな。
「バッチリだよ。色々報告もあるから、リクさんもいてくれ」
そのまま部屋に入ると、
「……なぁリュウ、その女は誰だ……?」
く、空気が重い……!
「こ、こいつはコクリってんだ。魔国で会って、ついてきた」
「紹介に預かったコクリじゃ。主様とは無理矢理部屋に連れ込まれた仲じゃの」
「へぇー、この女狐はコクリっていうのかぁー」
マズい、部屋の空気とソラの目がどんどん濁っていく。
「ほほ、女狐とは随分と的を射た事を言うもんじゃのう」
コクリはくるんと1回転するとキツネの姿に戻り、
「どうも、キツネの魔物のコクリ、と申すものじゃ。これからもよろしくのう」
おすわりの体勢でぺこりとお辞儀をした。
いきなり変化なんてするから、ソラもリクも目が点になっちまったじゃねぇか。
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