17893人が本棚に入れています
本棚に追加
「リュウ、やっぱり無茶してたのか」
ソラが怒気を含んだ声で言う。
しかし、数匹のスノーウォビットを抱えているので迫力は激減。
「大した事じゃ無かったよ。それより、依頼の報酬を頼む。依頼の方だけな」
研究施設への侵入はただの尻拭いなんだから。
「わかってるよ。ほら、50万Gだ」
「……高くないか?」
ただ食材を獲ってきただけなのに、随分な報酬だな。
「そりゃあ国外の依頼だからな。移動費とかもそれに含まれてるし、本来はもっと時間もかかるもんなんだ」
なるほど、お得だな。
「それじゃ、俺たちは帰るよ。もうすぐ学園祭だから、2人ともできれば来てくれよ?とっておきの料理を作って待ってるからさ」
「行く!絶対行くからな!」
「……ソラさんがこの調子なら大丈夫だよ。その日に仕事が残ることはまず無いからね」
気合いの為せる業か……。
腹が減ったと文句を垂れるコクリを連れて部屋に戻り、そろそろ昼休みの時間なので昼食を作っていると、突然窓からレレルが飛び込んできた。
なんでも
「リュウちゃんの料理はこの鼻が覚えてるからね!ところでこの子は誰?愛人?」
だそうだ。
愛人という言葉に対してふざけるコクリを抑え、他のメンバーも呼んで昼食にする。
コクリの姿を見たセレスとフラウの目が濁ったが、キツネ姿の自己紹介をするとレレルとテレサ以外の目が点になった。
ちなみにレレルの目は光り輝き、テレサは相変わらずの無表情だった。
最初のコメントを投稿しよう!