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……っていう夢を見たんだよ」
「怖えぇよ!なんでレレルが俺目線の、しかも俺が殺される夢を見てんだよ!?」
朝一番、突然部屋に突撃してきたレレルが泣きながら俺を叩き起こした後の出来事だった。
俺も泣きたいわ。
「……で、なんでわざわざ俺にそれを報告するんだ?」
「報告はついでだよ。……本音を言えば、あの2人が怖くなっちゃって……」
その気持ちはわかる。
「……ったく、朝飯くらいなら作ってやるから、食い終わったらちゃんと部屋に戻れよ?もうすぐ学園祭なんだ。フラウにビビってるようじゃチームワークなんて無理だからな?」
そう、実はもうすぐ、具体的に言えば明後日から、我らが王立魔法学園の学園祭が始まる。
どのクラスもその準備で大忙しで、さらに俺のクラスで開かれる喫茶店……もとい、レストランのチーフコックである俺は、わりと現実的な食材集めに連日追われているのだった。
高級食材やゲテモノならいくらでもあるのだが、それだと値段設定がおかしくなって客が来なくなってしまう。
まったく、世知辛いぜ。
「うぅ、わかってるよぉ」
「じゃあさっさと朝飯にしちまおう。無駄な早起きで無駄に豪華な朝食になるな」
「うぅ、ありがとう、リュウちゃん。もうあの悪夢は食べて忘れるしか無いよね」
嫌みのつもりが、だいぶ都合良く解釈されてしまったようだ。
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