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「えっと、怒ってます?」
腕を組みジトリとした目で見つめている金髪さんの表情はやはり怒っているように見える
「あぁ、悪かったわね…あたし生まれつき目つき悪くて、よく言われるのよ」
生まれつき、と聞いて勇二は他人事には思えず同情してしまった。
生まれつきというのはどうしようもなく勇二自身、個人魔法の件で随分と悩んでいるのだ
「あ、えっと、まほけんについて何か知ってるんですか?」
勇二の問いに金髪さんは首を傾げた
「知ってるも何もあたしはまほけんの部員だし」
大体予想は出来ていたので驚きはしないがこのタイミングで部員に会えるのは運がいい
「あの、今って体験入部とかやってますかね?」
「さぁ、やってんじゃない?なんなら放課後部員が迎えに行きましょうか?あたしが準備しとくから」
まけせとけと金髪さんは笑う、その表情で笑っているのはわかるがやはり目つきは悪かった
「そうしてもらえると助かります、あっ、俺5組にいるんで」
「ハイハイ、それじゃ放課後ね……えーと名前は?」
お互いに名前すら知らなかった事に気がつき慌てて自己紹介した
「あたしは沖永礼奈(おきながれな)それじゃまたね勇二」
そう言って沖永先輩は二年生の階に去って行った。
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