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(兄さん、今の女とはどんな関係なんですか?)
沖永先輩と別れた直後、脳内に妹である凛の声が響く
このテレパシーは凛の個人魔法である『深層心理監視魔法』の応用で特定の人物と擬似的な会話を行うことができる。
「いや、勘違いするなよ凛、今の人は沖永先輩といって魔法研究会の部員なんだ」
(その魔法研究会の女が兄さんに何の用なんですか?どうせ下心を持って兄さんに近づいて来たんでしょうけど)
凛は俺と話したり仲良くしたりした女性にはあたりがキツイ、例えそれが先生であっても態度を変えたりはしない程の筋金入りだ。
「あんまり悪く言うんじゃないぞ、魔法研究会に体験入部しようと思っただけだよ」
(体験入部?ちょっと待っててください)
そう言うと凛からのテレパシーは途絶え頭の中からスッと凛の声が消えていく
しかしそれは一瞬だった。
(わ た し は 断 固 反 対 で す !!)
脳内から漏れ出しそうなほどのボリュームで凛の声が頭の中に響き渡る
「り、凛!落ち着け!頭が割れる!!」
勇二の声で我に返ったのか凛は慌てていつもの大人びた口調に戻す。
(失礼しました……ですが兄さん、調べたところ魔法研究会は女子部員4人、男子部員1人と女が多いです、兄さんは容姿、性格共にトップレベルの殿方なので必然的に兄さんに好意を寄せる女性が現れます、危険です!兄さんの貞操の危機なんです!)
前言撤回、まだ我を忘れているようだ。
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