夏休み明けのある日

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凛は『深層心理監視魔法』とやたら長ったらしい名前の魔法を使うことができる、魔法には大きく分けて二種類ある、日常的に必須とも言える火を起こしたり水を出したりのような『一般生活必須魔法』通称『日常魔法』これは学校での授業を通して使えるようなる そして凛の『深層心理監視魔法』のような『個人魔法』は産まれた瞬間に遺伝子レベルで決定されたいわば神様からの贈り物みたいな物で世界中どこを探しても自分と全く同じ『個人魔法』を使える人間はいない。 「いや……凛が俺のこと嫌いじゃないってのは兄ちゃん痛い程わかるぞ、うん」 「それならいいんです、じゃあ早く朝ごはん食べちゃいましょ?今日は兄さんの好きな鮭を焼いてみました」 テーブルの上には確かに鮭の塩焼きを筆頭に味噌汁、白米、漬物といった和食オールスターズが揃っている 「いつもサンキュ、凛のご飯がうますぎて他の人が作るご飯なんて食えないよな」 と軽く冗談混じりに勇二は言ってみたのだが 「ふふ、おかしな兄さん、私以外の人間……特に『女』の作るご飯を食べるなんて許すと思います?」 サバンナに生息する獰猛な肉食獣ですら近づくことを躊躇してしまいたくなるような謎の威圧感を漂わせる凛の笑顔に勇二はただただ笑って誤魔化すしかなかった。 無論、彼の笑顔が引きつっていたことなど言うまでもない。
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