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やりたいです……ラフティング。
どんぶらこと笹舟のように流れるゴムボートで自然に囲まれた世界を堪能したいです。
でも問題点があります。
藤澤先輩は歩かないのです。
もしも歩くことができない体質だとすれば足の筋肉がほとんどない。
つまり、溺れるんじゃないでしょうか?
「……あ」
「あら? どうしたのかしら琥珀ちゃん」
生徒会長とゴムボードで遊覧ツアーをすることの危険性に気づいてあげた声を見逃さなかったのは舞子姉さん。
地獄耳にもほどがあります。
彼女は振り返り、こちら表情を観察しました。
どうやら琥珀語の解読をなさるみたいです。
「……ゴムボート。ラフティングで自然界堪能ツアー。アブナイ恋に燃える素敵なゴールデンウィーク?」
「あ、あわ……はわわ!」
違います! 誤読してますよ姉さん!
危ないのは恋ではなくて藤澤先輩です。
「なるほど。真央ちゃんのアブナイ恋ってことは下流にワンちゃんが待ち構えているってことね?」
ち、違いますってば!
冷静に考えてください。琥珀が男子の動きなんて知るわけないじゃないですか!
身振り手振りで説明しますが、舞子姉さんは聞く耳を持ちません。
透羽さんもウキウキしているので止めるに止めれない状況になってしまいました。
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