出会い

3/9
前へ
/124ページ
次へ
あと変わったといえば、季節的なイベントの影響もあるにはあったけど、経理1課の飲み会の回数。 思い出す限り、入社してからの半年間、私の歓迎会以外の飲み会は特になかったと思う。 ところが11月には真鍋さんと芹沢係長の歓送迎会、12月には忘年会、1月には新年会と続き、それとは別に毎月月初に1,2回は行くようになった。 この課では、毎月初、平日の五日間、膨大なデータ処理に全員が追われ、遅くまで残業することになる。 芹沢係長は、係長という役職には就いているけれども、他の平社員と同じように通常業務をこなす立場だったので当然帰りは遅くなる。 そこで大体皆が帰れそうになる、というか限界を感じて帰りたくなる9時や10時頃になると、飲みに行こうと皆を誘った。 信じられないことに、そんな月初でも、山田課長は大抵7時か8時頃までには帰宅してしまう。まあ、どれだけ課長が使えないかと先輩達が愚痴るいい機会になったようで、それはそれで貴重な本音が聞けたし、よかったのだけれど・・・。 でも、課長が参加する歓送迎会・忘年会・新年会でさえも、課長・係長以外全員20代という若者中心の経理1課では、大学時代のサークルの飲み会のごとく本当に楽しい時間だった。 飲み会の席では女性の先輩達もいつも会社で見る雰囲気とは全く違い、話しやすくていい人達ばかりなんだとわかった。 きっと私の歓迎会ではまだ余裕がなく、そんな一面に気がつかなかったのもあるのだろう。 とにかく、そんなこんなで、仕事にも随分慣れ、気がつけば私はすっかり経理1課に馴染んでいた。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加