満月の夜

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どの位ベランダでこの満月を見ていたのだろう。すっかり身体が冷えてしまっていた。 あっ、さっき淹れたコーヒー! ふっと、現実の世界へ思考が戻る。 慌てて目的のジーンズを物干し棹から取って、部屋に入ろうと一度ドアの方へ向き直ってから、一瞬考える。 そしてもう一度月の方へ身体ごと向けてから、そっと話す。 「ねえ、お月様。」 真っ直ぐに見上げて、一呼吸してからまた続けて囁く。 「あと、暖も一緒に犬にしてね。で、今度もまたパートナーにしてね。」 暖なら、例え本当にそうなってもきっと文句は言わない。 私は最後に月へニコッと微笑んでから、暖かい我が家のリビングへ戻った。 おわり
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