夢で逢えても

出会い

「それって自慢するところ？　あなた女の子でしょー。」

やさしく笑いながら、言う係長。

「もう女の子じゃなくて、女性ですけどねっ。社会人ですからっ。」

またまた得意げにそう言いながら、ふと気づく。
あれっ、さっきから芹沢係長ビールばかり飲んでて、あんまり食べてない・・・。

「そういう係長は小食なんですか？それとも私に圧倒されて、食べたいものオーダーし損ねちゃってます？」

「いや。ビール飲みながら食べたら、太っちゃいそうだから。３０代になると代謝が落ちるからさっ。さすがにちびデブはやだし。」

正直、かなり細身の係長からの、意外な台詞だった。

確かに身長は１６５cmあるかないかで、道を一緒に歩いていると、ローヒールを履いた１５７cmの私と大差はなかったような。。。

後半の台詞にはなんてコメントしていいかわからず、聞き流すことにした。

「でも腕とかめちゃくちゃ細いし。もう少し太ったほうが、健康的なんじゃないですか？」

「うーん、でもお腹に付いちゃうんだよね。ビール腹ってやつ？」

「それはビールを止めればいいんじゃあ・・・。」

「その通り！」　

私も芹沢係長も同時に笑った。