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お昼の時間は基本的に12時から13時だけど、多少前後をしても大体1時間で戻ってくれば特に何も問題は無い。割と時間には融通が利く会社だった。
でも営業だけは、対外的な問題がある為、お昼は12時から13時と決まっていた。
いつもお昼を一緒に食べる同期の中には営業補佐をしている子がいるから、私達はいつもその時間に合わせて空いている会議室でお弁当を食べていた。
私と山田課長以外の経理1課のメンバーは、大体一緒にランチに行っていた。私も当初はもちろん誘われた。でも同期で既に食べると決めていたし、当時は課に打ち解けていなかったこともあり、ランチぐらいは気を抜きたくて、そのまま同期とずっと食べてる状態だった。
ある日、私はちょっとやりかけた作業がなかなか終わらなくて、12時を過ぎてもまだパソコンと格闘していた。
同期の中で一番仲の良いつぐみが、下から会議室のある経理のフロアーに来て、私に声をかけていく。
「みどりちゃん、まだ終わらないの?」
「うん、先に行って食べてて。あと5分か10分はかかると思うから。」
「了解。皆んなにも言っておくね。」
「じゃ、後でね~」
なんて会話をしてしばらくすると、
「芹沢係長、まだ出れそうもないんですか?」
沢口さんが後ろの席の近くに来て、そう聞いた。
「うん。もう少しだけかかりそうだから、先に行ってて。後から行くよ。今日は確かこの間行った寿司屋にまた行くんだったよね?」
「そうっすね。」
「じゃ、悪いけど、並のにぎり頼んでおいてもらってもいい?」
「わかりました。じゃ、行ってますね。」
「よろしく。」
係長との会話が終わると、今度は沢口さんが私の横に来た。
「おまえ、もうすぐ15分過ぎるだけど、大丈夫?」
「あとちょっとなんで、腹ペコだけど、頑張ります!いってらっしゃーい。」
と私は手を振った。
「じゃあ、頑張れ。俺らはお昼行ってくるから。」
ドアに向かいながら、後ろ向きに私に手を振った。
そして既にランチに行く準備ができて、ドア付近で話に花を咲かせている女性の先輩達と合流して、
「じゃ、行ってくるね。」
と、皆んなで私と芹沢係長に向かって言った。
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