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---真鍋が居なくなって寂しくない?---
---うーん、でも同じフロアーにいますしね---
---うーん。あなたの考えてることは全然わからないね---
あの、よくわからなかった例の会話。。。
本当に沢口さんとは気が合うだけで、恋愛感情はゼロだ。
でももし仮に好きだったら、彼の目論見通り名前を言っていたのだろうか?
よくわからない。
そんなことをぼんやり考えながら窓の外をみていると、しばらく会話が途切れた。
でも全く嫌な空気ではなかった。
むしろ警戒心と罪悪感が消えたことで、無理に何かを話そうとあせりが全くない状態、リラックスした状態で自然にBGMに耳を傾けていた。
しかしそんな静寂は、そう長く続かなかった。そしてそれ以降、このドライブが終わるまで一度もなかったのである。
元来係長も私もおしゃべりだ。どちらともなく話し出し、お互い話したいことが後から後から湧いてきて、止まらなかったのだ。
彼は、
大学時代の落研サークルのこと、
去年の夏休みに親友と沖縄へお互い彼女連れの4人で行ったこと、
その海が本島とは思えない程本当に綺麗で今年も行く約束をしていること、
スーツは既製品ではなく全てオーダーメイドだということ、
元飼い主にいじめられて何をしても全く吠えない状態の傷ついた犬を飼っていること、
お祖父さんが従業員4000人ぐらいの会社の社長をしていること、
等など本当にいろいろなことを話してくれた。
私もいろいろな話をした。元彼の話などプライベートなことも全て包み隠さず。
そして終始お互いに茶々を入れ合った。それが楽しくて仕方がない。
馬が合うとはまさにこの事だ。
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