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暖がシャワーを浴びている音がする。 夜も大抵浴びるが、朝は欠かさない。睡眠時間が少ないから、ちゃんと目覚めるには必須らしい。 大体暖がシャワーを出て食卓に着く頃に、子供達も着替えて食卓へばたばたと騒々しくやって来る。 「今日は苺ジャムがよかったのにぃ~」 樹里が口をへの字にしている。 大抵マーガリンを塗ったパンが好きなので、時間のない平日の朝食はトーストして何も聞かずに塗ってしまう。もう少し早起きをしてくれれば、毎日聞いてもいいのだけれど。 我まま娘!私も幼稚園のバス停まで送っていくから、化粧をしたり着替えたりと忙しいんだからねっ。 聖良はゆっくりながらも確実に着々と準備をするので、起きてしまえば後は特に心配要らない。同じマンションに住む友達と7:50に待ち合わせをしているので、それに間に合うように時計を見ながらきちんと一人で用意をしていく。 まあ小学生なんだから、当然か。 でもほんの数ヶ月前、幼稚園児だった時はぼーっとすることが多くて、毎朝毎朝本当に大変だった。早くしなさいと怒鳴りすぎて声がかすれたぐらいだ。 ちょっと前の出来事なのに、もう既に遠い過去のように感じる。急に成長したようで、うれしいような、寂しいような・・・。私も親だな~。 「いってきまーす」 今日も一番手は聖良。少し遅れて暖。そして樹里と私の順番で出かけていく。 「なんとか間に合ったぁ。もっと早く起きなさい。ちゃんと起きたら、時間は結構あるんだよ!」 今日は珍しく園のバス停に一番乗り。 ほっとしつつも、また釘を刺す。まあ何か言ったからって明日ちゃんと起きるなんて思ってもいないけど。 「だってぇ、眠いんだもーん。でも明日は頑張ろっかなぁ~。」 うーん、期待しないでおこう。
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