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細い道をくぐり抜けると、静かな隠れ名店の甘味処があった。
甘味処には、毎日いろんなお客さんがくる。
今日も、何やら事情がありそうな、20歳くらいの女性のお客さんが来店した。
片方は黄色いワンピースを着ており、とても可愛い。
もう一人は、髪を1つにまとめパーカーにジーパン、カッコイイ方だが何処かで見たことある気がしている。
私は、来てくださったお客さんの顔をしっかり覚えていられる方なのだが、そろそろ歳なのかしら?
カッコイイ女性の目は真っ赤に腫れ上がり、可愛い女性が背中をさすっていた。
席へ案内すると、すぐメニューを見ずに「ヨーグルトパフェ2つ下さい」と、可愛い女性が注文した。
ヨーグルトパフェは、この甘味処で一番人気の商品。
ヨーグルト味のアイスを使っていて、白しかない見た目が特徴的だ。
ヨーグルトパフェを持っていくと、カッコイイ女性はもっと泣いてしまった。
「泣いてばかりじゃダメでしょ?」
と可愛い女性の方が言うと小さくうなづいていた。
私は、目が痛々しいカッコイイ女性のお客さんに温かいおしぼりを渡した。
「目に少しの間置いておくといいですよ」
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