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「あっ、ありがとうございます......」
彼女は、目におしぼりを置いてからこう話してきた。
「お店の方、あの、ありがとうございます。このお店は、弟のお気に入りのお店でした。1週間に3回は来ていたらしくて、毎日ここのヨーグルトパフェは美味しいと嬉しそうに話していたんです」
私はここまで、お話を聞いてやっと思い出した。
この甘味処に、週最低でも3回は来る高校生くらいのスポーツマンの方がいた。
毎回頼むのはヨーグルトパフェで、彼はあまりヨーグルトが好きではないと言っていたが、ここのヨーグルト風味はとても気にっていたようだった。
「ヨーグルトは食べ物じゃない、なんていっていたのが嘘のようでした。1週間前にも食べにいくんだと嬉しそうに。なのに、交通事故で......」
息をつまらせながら、一つ一つ言葉を紡いで、辛そうだった。
近くにある椅子に座り、彼女の背中をさすった。
可愛い女性は「早く食べよ!! これアイス乗ってるから溶けちゃうよ!」とカッコイイ女性に声をかけた。
カッコイイ女性が少し落ち着いて、食べ始めると「バカ」と呟き出した。
2人はヨーグルトパフェを食べながら、弟さんのお話をしていた。
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