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柚華VS本体フラグメント》
フ「むぅ。すまんな、小さき者よ。儂はあのように、四身一体のフラグメントでな。」
すまなそうに言い募るフラグメント。
しかし、柚華は
柚「んーん。別に気にしてないよ。ボク達だって最初四人がかりだったじゃん。」
返事をしつつ、
柚「でも、ここからは一対一。容赦しないよ。」
拳を構えた。
フ「ガッハッハ。面白いな、娘―いや、柚華よ。儂も本気でいくぞ!」
そして―
フ「フッ!!」
体格は小さくなったとはいえ、未だにその怪力は衰えず、否、小柄になったがゆえに速度も乗った一撃が柚華に迫る。
だが
柚「鋭ッ!!」
柚華も負けておらず、手甲を纏った拳を抜き手のように打ち出す。
巖の如き巨拳と剣撃の如く鋭い突きが交差し―
フ「ぐっ!!」
柚「くぁっ!!」
ほぼ、同時に地に伏せた。
フ「ガッハッハ。柚華、お主なかなかの一撃だな。」
消えかけながらも何処か嬉しそうに言うフラグメント。
柚「あはっ。ボクも貴方の拳を掠めるので手一杯だったよ。」
無邪気に笑いながら、しかし、敬うようにフラグメントに声を掛ける柚華。
フ「フハハハ!!愉しかったぞ!柚華!また、合間見えたらもう一度闘おうぞ!」
そう言い残し光の粒子となり消えるフラグメント。
そこから現れた記憶の欠片を柚華は手に取り、
そっと、握り締めた。
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