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「あぁ、唯ちゃんには言ってなかったんだっけ?彼氏いること。」
にっこり笑ってそんなことサラッと言える先輩、リスペクトはできないっす…。
「もう2年くらい経つんじゃなぁい?清秀くん元気?」
「んー、俺の記憶が正しければ来月で丸2年になるはずですよ。キヨ最近仕事忙しくて店に顔出す暇もないみたいですよ。」
二人の会話を聞く限り、華子さんも清秀さんと言う人と仲が良いようだ。
「そだ、今度の休みにバーベキューしたいねってキヨと言ってたんですよ!よかったら唯ちゃんも華子さんも一緒に行きません?」
「え、でも俺は、その清秀さんの事は…。」
「あら、いいじゃない!BBQは人数多い方が盛り上がるし、お店のみんなにも声かけましょ!」
「あ、あのー…。」
「楽しみだね!唯ちゃん!」
「…そ、そうっすね!」
とりあえず、しばらくは長いものに巻かれておこう…。
そんな会話をしながら電車に揺られて到着したのは、隣町にある撮影スタジオ。
7階建てのビルの看板には、高山スタジオと書いてある。
俺と真菜さんは華子さんの後に付いて行って3階へと向かった。
「お、よく来たなー!」
「よく来たな、じゃないわよバカ社長!こっちは休み返上して来てるんだから、感謝しなさい!」
華子さんに叱られてる?この男性がおそらく出版社の社長なのであろう。
しかし、黒髪に無精ヒゲ、縁なしメガネでぱっとしないけど、がたいいいな。ラグビーとかやってそう…。
「へー、この二人がね…。うん、うちの表紙に申し分ないな!じゃ、早速メイクしてもらおうか!」
スタジオに着いて早々に俺と真菜さんはメイクをするために4階の控え室へと案内された。
ちなみに3階が客間や打ち合わせスペースが何部屋かあって、4階がメイクや着替えをする控え室、5階6階が撮影スタジオになっているらしい。
控え室に入ると既にスタイリストさんがスタンばっていた。
「え、君たちほんとに男の子!?君なんてワンピースめっちゃ似合ってるじゃん!!」
「こっちの子なんてめちゃめちゃ髪キレイだよ!やっぱ華子さんとこの子達は他と違うね~!」
3人のスタイリストさん達に散々もみくちゃにされながらも、ようやくメイク台に座らせてもらって一息吐いた。
てかこのスタイリストさん達とも華子さん知り合いなのか?!人脈ぱねぇな…。
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