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彼女に店の場所を聞いてから、タクシーに乗せて自宅へと帰らせた。
店長には彼女からメールで俺が代わりに仕事しに行くことを伝えてくれるそうだ。
…にしても、俺が名前を名乗った時に彼女が何故笑顔になったのかよく分からん。
『唯…斗さんね…。』
その笑顔は苦しい表情ではなく、嬉しそうな顔をしていた。
ま、いいや。
二丁目はホストクラブやキャバクラなどがひしめき合っている繁華街。
彼女が働いている店にたどり着くまでに数回キャッチに捕まったが、面倒なのでひたすらシカトして回避した。
地図通りに足を進めて目的の店にたどり着いた。
ふと看板を見ると、【ラビットボーイズ】と書かれていた。
(うさぎの男の子…?)
女性が働くには不自然のような店名に首を傾げて立ち止まっていると、不意に後ろから話しかけられた。
「あなたが唯斗さん?」
「え、あ、はい。」
振り返るとそれはそれは美しい女性がこちらを見つめて微笑んでいた。
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