県庁の不思議

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 しかし、恵未女食堂がコーンコロッケを知事の定食に入れたとすると、どこかでコーンコロッケとカニクリームコロッケが入れ替わったことになる。  その点はすでに警察から「定食のコロッケを入れ替えることは可能ですか」と、聞かれていおり、それに対して松並は「可能である」と答えている。  恵未女食堂の店員が総務課に知事の昼食を届けに来たのが11時半過ぎ。そこで職員が昼食を受け取りお茶をそえて知事に出したのが12時。  その間に誰も見ていない時間があることは否定できないと松並は思う。  また、動機に関しても県知事という仕事上、誰かから思いもよらない理由で恨まれていてもおかしくない。  と、松並は色々考えてみたがそれはあくまで可能性であって結局は恵未女食堂の過失ということで落ち着くだろうと考えていた。  なにしろ恵未女食堂が確かにコーンコロッケを入れていたとしても証拠がないのだ。
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