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それはゆうメールであった。
知事の元には色々な団体から色々な物が送られて来る事がよくあり、これもたぶんその一つに過ぎないのだろう。
松並はとりあえず、その「東 海太郎」なる人物から送られたゆうメールを開けてみることにした。
「なんだこれは」
松並は困惑した。ゆうメールの中には十四、五年前のベストセラー『精霊の羽根』の下巻が入っていたからである。
「なぜ、この本が。それも下巻だけ」
これらの疑問を解消すべく松並は書籍を注意深く観察する。
やがて、書籍に白い厚紙をラミネート加工した栞(しおり)が挟んであるのに気がついた松並は、該当するページを開く。
するとこの本の著者エーカー・シュヘンベルグがインディアンの長老に教えをこう場面が書かれていた。
「このページになんの意味があると言うんだ」
あまりの無意味さに松並が苛ついた時、栞に文字が印刷されているのに気がついた。
「やり方を変える事」
「やり方を、変える」
松並はこの言葉の意味を考えたが皆目見当がつかなかった。
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