Cherry 7

2/33
474人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
その日の夜。 美生ちゃんの秘密を知っているあたしは、妙にソワソワして落ち着かない。 まるであたしがパパとママに嘘を吐いてるみたいに、緊張する。 美生ちゃんは平気な顔で、ママと天婦羅を揚げている。天婦羅だなんて、つわりでムカムカしないのかな? ウゲッてテレビでよくやってるけど、あんな風にならないのかな? 「美優、もうすぐ夕飯出来るから、空君達呼んで来て」 「美希が行くー!」 ママの言葉に、食器を並べていた美希が手を挙げる。 美希はパタパタとスリッパを鳴らし、廊下に飛び出した。 「じゃあ、美優はパパ呼んで来て」 「えぇっ…!?」 パパを呼びに行くくらいなら、空翔を呼びに行けば良かった。 やだな。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!