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その日の夜。
美生ちゃんの秘密を知っているあたしは、妙にソワソワして落ち着かない。
まるであたしがパパとママに嘘を吐いてるみたいに、緊張する。
美生ちゃんは平気な顔で、ママと天婦羅を揚げている。天婦羅だなんて、つわりでムカムカしないのかな?
ウゲッてテレビでよくやってるけど、あんな風にならないのかな?
「美優、もうすぐ夕飯出来るから、空君達呼んで来て」
「美希が行くー!」
ママの言葉に、食器を並べていた美希が手を挙げる。
美希はパタパタとスリッパを鳴らし、廊下に飛び出した。
「じゃあ、美優はパパ呼んで来て」
「えぇっ…!?」
パパを呼びに行くくらいなら、空翔を呼びに行けば良かった。
やだな。
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