第一章 別れとは

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ヒエロの中心部に向かうと、そこは人と人との力のぶつかり合いだった。 人間は、魔導アーマーと呼ばれる魔法で動く特殊な機械兵器でルシたちを迎撃し、時には自らの魔法で攻撃する。 対するルシ側は、その身に宿された強靭で特殊な【能力】によってそれを迎えた。 ルシは、望んでなるものではない。 そもそもルシというのは、下界の人間が、天界の神、ファルス・レイアの導きを受け天界の神殿にてなるものだ。 その者には、類い稀なる人を超えた【能力】と、ルシという呪いを解くための【使命】を与えられる。 天神、ファルス・レイアに与えられたその使命を果たした者は、その場で体をクリスタルに変えられ、永遠に栄光を受ける。 逆に、使命を果たせそうにないものはその場で【シガイ】となり、この天界をその身を破壊されるまで蠢き続ける。 しかし、ルシとは忌み嫌われている存在。 時にはその与えられし【使命】が人類への攻撃ということもある。 だが、人間の【使命】は、ルシになること。 それはファルス・レイアの前の神の時代からずっとそうだったに違いない。
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