金曜日

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痛いようなドキドキは止まっていた。身体があちこち痛い。 ハルが優しくオレを横たえた。 離さないという様に抱き寄せられて、ため息が出る。 ハルがオレを見ている。 宝物だよっていうように。 オレもそんな風に見ているのかな? だったらいいなと思う。 心臓の音が小さくなって、ハルを見ていられなくなる。 「寝て?」 優しい声でハルが言って、キスをした。キスをされるとオレの目は閉じてしまって、もう開けることは出来なかった。 優しい指先が痛くないように背中をなぞる。ため息をつきながら、オレは眠りに滑り込んでいった。 神のいない夏 夏休み前 ー完ー
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