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‘離しなさいよ!’
開こうとした口唇は、あっけなく塞がれた。
噛み付こうとでもするかのような、激しいキスに息が止まった。
無理矢理捻じ込まれた舌は、全く躊躇する事なくアタシのソレに絡まった。
呼吸する事すら忘れたアタシは、あまりの息苦しさに目尻に涙を滲ませた。
苦しくて、悔しくて、たまらなかった。
非力な自分も、その舌を噛み切ってやるほどの余裕すら持てなかった自分も、情けなくて堪らなかった。
ようやくアタシを解放したオトコは、大きく肩で息をするアタシを見下ろし、片側の口角だけを微かに上げた。
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