ドッペル人形【4話】

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「……霧島、ありがとうな。でも……俺はもう駄目なんだ。だから構わず先に行ってくれ」 「な、なんで!?」 その瞬間、水面から無数の白い手が伸びてくる。 その手が拓真君の肩や腕に纏わりついた。 ――!! 「……こう言うわけだ。もう逃げれそうにない」 拓真君の体が水面に引きずり込まれていく。 「拓真君っ!!」 あたしは柵をガシガシと揺らした。 こんな時に何も出来ないなんて。 ――本当に悔しい。
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