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魚が狙っているのは今度こそ拓真君だろう。
「拓真君っ、早く、早くあがってきて!! 後ろから魚が来てるよっ!」
声が震える。
「まっ……マジかよ」
体をひねり、白い手を振りほどこうと拓真君は必死に抵抗した。
だが……
「っ!?」
新たに水面から出てきた手により、彼は頭を押さえつけられ水の中に消える。
「拓真君っ!?」
うそ……?
「ゴフッ! ……ゴホッ、ゴホッ!!」
私の叫びに反応するように、すぐに彼は顔を出した。
腕がまだ岸についていたため、拓真君は間一髪で引きずり込まれるのを逃れることができたみたい。
……良かった。
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