ドッペル人形【4話】

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更に追い打ちをかけるように、背後から聞こえてくる人形の近づく音。 うぅ。 えーと、次は……次は……。 冷や汗が出てくる。 ――こんな状況で考えなきゃならないなんてホント地獄だ。 時間制限はあたしが一番苦手な分野なのに……。 焦れば焦るほど冷静に物事を見れなくなる。 拓真君が何かを叫んでいるが、それも私の耳には届いてこない。 ……集中しなきゃ。 あたしに拓真君の命がかかってるんだから。 と、とりあえず…… あたしが左に動いたら魚はその場所に動いてくるはずなんだ。 右でも同じ。 要するにとおせんぼ状態。
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