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次の休日--。
昼過ぎにユールベルと待ち合わせをして、公園を散歩したあと、彼女が希望したアイスクリーム屋へ向かった。彼女の方から行きたいことやしたいことを言ってきたのは初めてで、少しずつ打ち解けてきている証左かもしれないとジョシュの気持ちは弾んだ。
アイスクリーム屋の店内に座っている客は、ほとんどが若い女性だった。あちらこちらから楽しそうなお喋りが聞こえてくる。その雰囲気には少しばかり居心地の悪さがあったものの、目の前でアイスクリームを口に運ぶ彼女を見ていると、やはり来て良かったと思わざるを得ない。
「アイスクリーム、好きなのか?」
「……多分、好き」
下を向いたまま訥々と答えるユールベルの表情には、僅かに戸惑いが浮かんでいた。しかし、それさえも、ジョシュには可愛らしく感じられて、アイスクリームをつつきながら自然と顔がほころんでいた。
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