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空は鮮やかに晴れ渡り、眩しいくらいの日差しが地上に降り注ぐ。
待ち合わせ場所には、すでにジョシュが来ていた。
ユールベルより早いのはいつものことであり、不思議でもなんでもないが、硬い顔で唇を引き結んでいることが少し気にかかった。何か思い詰めているようにも見える。しかし、ユールベルに気がつくと、ほっと安堵したように表情を緩ませた。
「とりあえず公園へ行くか」
その声は普段と何ら変わりのないものだった。ユールベルも素直に頷く。それから二人並んで公園に向かうと、小径をゆっくりと散歩したり、木陰でのんびり話をしたりと、あたたかい陽だまりに包まれながら、これまでの休日と同じように穏やかな時間を過ごした。
日が傾き、帰る時間が近づいた頃--。
ジョシュがぎこちなく遠慮がちに手を繋いできた。
ユールベルが顔を上げると、彼は照れたような表情で前を向いていた。夕陽のせいではっきりとはわからないが、頬もほんのり紅く染まっているように見える。その緊張ぎみの横顔に、その手のあたたかさに、ユールベルの胸はキュッと締め付けられる。決意が鈍りそうになるが、これが最後だからと自分に強く言い聞かせた。
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