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--どうしよう……。
ユールベルは口をきゅっと結んでうつむいた。断りたいのに上手く断れない。自分の言い方が悪かったのだろうか。どう言えばわかってもらえるのだろうか--そんなことを考えていると、不意に頭上から声が降り注ぐ。
「次の仕事」
ジョシュはぶっきらぼうにそう言うと、数枚の書類をユールベルの机に投げ置いた。
いつもであればそれだけですぐに立ち去るのだが、今回はいまだそこにとどまったままである。ユールベルは不思議に思って顔を上げた。
「あいつはやめておけ」
ジョシュは不機嫌な顔のまま、ぼそりとそんなことを言う。
それが何を指してのことか、ユールベルにはすぐにわかった。しかし素直に聞く気にはなれなかった。今までほとんど拒絶に近い態度をとっておきながら、突然、それも仕事以外のことで干渉してきたことに、何か怒りのようなものが沸々と湧き上がってきた。
「あなたには関係ない」
うつむいて眉根を寄せながら反発する。
ジョシュは何も言い返さず、表情も変えず、静かに自席へと戻っていった。
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