7人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
長く急な坂道の途中で道を反れ、茂みに足を進める。
普通なら気づかないような誰も行かないような茂みな奥に、私も偶然見つけたあの場所がその先にある。
生い茂った草木を掻き分け進む青葉について足を進める。
そしてしばらくすると嘘みたいに開かれた空間があり、そこからは海を一望に見渡せる私の大好きな丘。
懐かしさから青葉のことを忘れ辺りを見回しといた。
「木下」
名前を呼ばれ、握られていた手に力がこもり青葉の存在を思い出す。
恐る恐る見ると青葉は私を真っ直ぐ見つめていてすごくドキドキした。
ここに居るせい?
私の感情はいつも以上に高ぶっている気がした。
「もし香奈美が俺のことを好きでも関係ないから。俺が好きなのは……ずっと好きなのはお前だけだから」
女の子なら誰しも言われたい言葉で、胸がギュって締め付けられるようなドキドキ感に嬉しくて涙が出そうになった。
.
最初のコメントを投稿しよう!