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いつも昼休みは要とバスケをしたり、下らない話で盛り上がったり、時にはバスケについて熱く語ってみたりして過ごしていた。
なのに俺が最近、毎日のようにご飯を食べ終わると香奈美のところに行くことが気にくわないらしい。
どうやら俺が片想いの相手にフラれ、香奈美に乗り替えたんじゃないかと心配しているらしい―――そんなことあり得ないのに。
「別に香奈美狙いとかあり得ないから……お前が好きなの知ってるし」
そう言うと要が耳まで真っ赤にし
「ばっ……いちいち言わなくていいし!」
顔を制服の袖で隠しながら俺に絡んできた。
面倒くせ―――こっちは少しでも早く彼女に会いたいのにとんだ時間のロスだ。
「たまたま用があんだよ。……行ってくるから」
俺は要を押し退け、教室を出た。
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