誤解

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 香奈美から私に視線を移し不思議そうに私を見た。  本当なら嬉しいはずのに今は気づいてほしくなかった―――だって香奈美に気づかれちゃう。 絶対にバレちゃダメなのに…… 「杏奈、どうかしたの?」  でも私の顔を覗き込み声をかけてきたのは香奈美で、内心ホッとした。 「…何でもない」  それで通用するかなんて分からなかったが、動揺した私にはそれ以外の言葉は見つからない。  そんな私を不審そうに見る香奈美の隣で、今にも声をかけてきそうな青葉の姿が目に入る。 「顔色悪いけど大丈夫か?」  言いながら青葉があまりにも自然に私の額に手をあて、私は青葉の行動に驚き目を見開いた。 「熱はないな」  青葉はホッとした顔で私に微笑み、私はすごくドキドキしてしまう。  でも香奈美の顔を見て一気に気持ちが引いていくのを感じる。 .
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