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香奈美にかける言葉が見つからず、青葉はそんな私たちの様子にも気づかない様子だった。
鼓動の速まりと変な汗がジワリとかいてきた時、タイミング良いのか悪いのか分からないけど、チャイムが鳴り青葉は私を残し教室に戻っていく。
先生がまだ来ていない教室に沈黙はきつく、初めて早く授業が始まってほしいって願ってしまう。
香奈美はまだ私を見つめたまま動こうとはしない。
青葉の鈍さに考えなしの行動に私は追い詰められていた。
「いつの間にそんなに仲良くなったの?」
後ろめたさから心なしか香奈美の言葉にトゲを感じる。
答えに迷ったが、でも変に黙り込むと怪しまれる―――気持ちだけが焦る。
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