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香奈美の言葉に心臓が鷲掴みされたような感じがした。
やっぱり聞いてはいけないことを聞いてしまった。
どうしよう―――動揺と混乱で香奈美の言葉になんの反応もできず、ただ固まり香奈美を見つめるだけ。
「杏奈!?」
そんな私の様子に怪訝そうに顔を覗き込んでくる。
私は我に返り香奈美にとりあえず軽く笑って見せた。
友達なら「頑張れ」って言うべきなのか。
それとも今、青葉とのことを言うべきなのか。
でも両方、ダメなような気がして選ぶことはできない。
人間て窮地にたたされると短期間にこんなに一気に物事を考えられるんだって思った。
でも結局、答えなんてでなくて変な沈黙が私達の間に漂ってしまう。
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