告白

10/31
前へ
/31ページ
次へ
 教室に着くと迷わず自分の席に座り、頭を抱える。  香奈美の好きな人を奪い、影で付き合いながら香奈美に嫉妬する。  青葉を好きになれば好きになるくらいドロドロが大きくなり、その度に私は自分が嫌いになりそうだった。  いつか絶対にバチが当たるような気がして……怖くて堪らなかった。  しばらくして香奈美が教室に入ってきたのが分かった。  分かっていてもなかなか振り向けない。  今、香奈美を見たら私はどんな顔をするだろう―――ちゃんと普通に接することができるか、不安だった。 「杏奈!……大丈夫?やっぱり具合悪いんじゃない?」  私の反応の悪さに香奈美の顔から笑顔が消え、曇っていくのが分かった。 「大丈夫…」  私にはなんとか笑って見せ、その場を誤魔化すのが精一杯だった。 .
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加