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教室に着くと迷わず自分の席に座り、頭を抱える。
香奈美の好きな人を奪い、影で付き合いながら香奈美に嫉妬する。
青葉を好きになれば好きになるくらいドロドロが大きくなり、その度に私は自分が嫌いになりそうだった。
いつか絶対にバチが当たるような気がして……怖くて堪らなかった。
しばらくして香奈美が教室に入ってきたのが分かった。
分かっていてもなかなか振り向けない。
今、香奈美を見たら私はどんな顔をするだろう―――ちゃんと普通に接することができるか、不安だった。
「杏奈!……大丈夫?やっぱり具合悪いんじゃない?」
私の反応の悪さに香奈美の顔から笑顔が消え、曇っていくのが分かった。
「大丈夫…」
私にはなんとか笑って見せ、その場を誤魔化すのが精一杯だった。
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