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すぐにでも彼女の居場所を聞きたかったが、それでは香奈美に怪しまれる。
聞きたい気持ちを抑えつつ、頭をフル回転させて別の話題を探す。
「……教科書でも忘れたの?」
なかなか答えない俺を怪訝そうに見ながら、香奈美が聞いてきた。
「そう!教科書忘れてきて…」
咄嗟に何も思い浮かばなかった俺は香奈美のふってきた話に乗っかった。
「ドジねー。……で、何を忘れたの?」
香奈美が呆れたように笑い、俺の横をすり抜けるように教室に入っていきながら、聞いてくる。
一瞬、言葉に詰まってしまう―――だって教科書なんて借りに来たわけじゃないから。
そんなことよりも彼女のことを………彼女がどこにいるのかが知りたかった。
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