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あんなに学校に行くのが億劫になっていたのに青葉と付き合い始め、迎えに来てくれるようになり、朝が待ち遠しくなっていた。
まだお祖母ちゃんには会わせてはいないが、気づかれていたみたいで「夏に会った男の子」だと言ったらすごく喜んでくれた。
あの時、急に帰ることが決まり、私がどんなに落ち込んでいたかをよく知っていたから。
「今度、会わせてね」と言われ、私は恥ずかしながら頷いた。
「行ってきます」
元気良く言い、いつものように玄関を出る。
いつもと変わらない朝なのに目の前には青葉の姿はなく、なぜか不安を感じてしまう。
いつも青葉が立って待っていてくれる場所に敢えて立ち、時折、青葉が来るの方向を見ながら待つ。
でもいくら待っても青葉はいっこうに姿を現さない。
私は落ち着かず、何度も携帯を確認しつつ、青葉の姿を探す。
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