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「大丈夫!……何でもないから」
私は無理して笑い、香奈美に言うがそれでも心配そうに私を見ている。
香奈美を安心させようと元気そうに振る舞って見せるが、香奈美を見る私の視界に何か言いたげな青葉の姿がはいる。
私はそんな青葉から目線を思いっきり外し
「私、先に教室に行ってるね」
香奈美にそれだけ言うと二人に背を向け歩き出した。
徐々に速まる私の足。
早くあの場から離れたくて……
早くこの胸のドロドロとした気持ちを消したくて……
私は一生懸命、頭の中からあの光景をかき消そうとした。
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