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「待って!……今、行くから!」
彼女の焦った声が俺の耳に届く。
驚いて彼女の居た窓辺に目を向けるが、すでにその場所には彼女の姿はなかった。
そしてすぐに玄関の方から物音がしてドアが開くと顔を覗かせるように彼女が姿を現した。
その表情は少し険しく、でも俺に無理に笑みを作る彼女を見て胸が痛んだ。
すごく会いたかったのに……
彼女はそうじゃなかった。
それがすごく辛いけど、それでも今、会いに来たことを後悔なんてしない。
会いたかったんだから……
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