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なかなかドアのところから出てきてくれない彼女に俺は痺れを切らし、歩みよろうと一歩踏み出す。
「あっ……」
慌てて彼女が飛び出すようにドアから出てきて俺の側にやっと来てくれた。
そんな彼女を俺は迷うことなく力任せに抱きしめる。
突然のことに驚き、腕の中で彼女が小さくもがく。
でもそんなこと気にするどころか彼女が動けないくらい腕に力を込める。
「青葉?……泣いてるの?」
彼女の言葉に俺は初めて自分が泣いていることに気づく。
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