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「ごめん……私にはもう無理。苦しくて堪らない」
もうこの苦しみから解放されたくてつい本音を漏らしてしまう。
瞬間、青葉の腕が緩み、力なくストンっと私から腕が離れた。
胸がすごく痛んだ---青葉をすごく傷つけたのが分かったから。
でも……
それでも私にはこれ以上、香奈美に隠れて付き合い続けるということができなかった。
こんなことになるなら……
こんなに辛いことになるなら……
最初から自分の気持ちを優先するんじゃなかった。
今までどおり、自分の気持ちを押し殺し、我慢すればよかった。
慣れっこだったのに---慣れないことをするから後からしわ寄せが来る。
最後まで貫き通す強さもないくせに中途半端な私。
それが余計に周りの人を、そして自分自身を傷つけてしまうことになってしまうなんて思ってもみなかった。
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