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私の言葉に青葉の表情が固まる。
私はそんな青葉をまっすぐと見つめ、言葉を待つ。
でも青葉からは一向に返事はなく、それどころか口を開く様子すらない。
あまりのことに驚き言葉を失ったみたいだった。
そんな青葉を見ているのも辛くなり、胸が強く締め付けられる感じがした。
「ごめんね……」
自分が言ったくせに……
自分が青葉をこんなに傷つけたくせに……
青葉を見ていることができなくて一言、謝ると私は青葉をその場に残し、一人学校に向かって歩き出した。
涙が頬をゆっくりと伝う。
自分から別れを切り出したくせに悲しくて堪らない。
そしてあまりに弱い自分に腹が立って仕方がなかった。
青葉と今さら別れても何も変わらない。
傷つけた人を増やしただけだって分かってた。
それでも私は自分がこれ以上、傷つくことが怖くて逃げてしまった。
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