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それでも香奈美には本当のことを言う勇気なんて私にはなかった。
だから青葉と別れ、少しでも自分の"罪"を軽くしたかった。
結局のところやっぱり自分が一番可愛い私。
そんな自分がすごく嫌でたまらないが今更、この性格を直すことなんてできないし、変われないと思う。
教室に近づくにつれ徐々に聞こえてくるいつものざわつき。
私は一旦、足を止め深く息を吸い込み、そして意を決して教室に足を進める。
でもその中にはいつもはすでに来ているはずの香奈美の姿はなかった。
一気に私は気が動転してしまう。
あんなに香奈美にどんな顔をすればいいのか悩んでいたくせにその姿がないと落ち着かない。
私は自分の席にも行かず、カバンを持ったまま何度も何度もキョロキョロと教室中を見渡し続ける。
「おはよう、どうしたの？」
急に後ろから肩を叩かれ、話しかけられた私は驚き飛び上がりそうになる。
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