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「あ、うん。香奈美の方こそ大丈夫なの?」
声が微かに震え、上ずりそうになる。
「まぁ、ほら。私のは気持ち的なものだから……」
少し声を曇らせ、しどろもどろ気味に答える香奈美。
こんな風に言われると私は困る。
香奈美が青葉に告白するってことは香奈美から聞いて知っていたこと。
でも香奈美が青葉に振られたってことは香奈美本人から聞いた訳じゃないから下手に答えるわけにはいかない。
「ごめん。答えにくいよね?今、心に余裕がなくて……」
答えに詰まる私に香奈美が微かに笑う。
心がざわつく---色んなことが一気に頭を駆け巡る。
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