崩壊

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「ごめん……私にはやっぱり選べない。青葉のこと好きだけど香奈美もすごく大切なの」  青葉の表情が苦痛に歪み 「嫌だ!!」  悲鳴に近い青葉の声に飛び上がりそうになり、そして次の瞬間、引き寄せられ私は青葉に抱きすくめられていた。  その力は痛いくらい強く、まるで私を締め上げるようだった。 「痛い!青葉、離して!!」  身動き一つできずに私はただ訴えることしかできない。  でも青葉はその力を緩めることはなく、ひたすら私を抱きしめ続ける。 「絶対に離さない。ただ好きなだけなのに……想いは同じはずなのに香奈美の言葉で俺たちは駄目になるのか?」  青葉の言っていることはよく分かるけど、私は香奈美が居たから知らないこの地に来ても一人じゃなかった。  笑えるようになった。  香奈美は知らないだろうけど私は香奈美にかなり救われた。  それなのに私は裏切り傷つけるようなことをしてしまった。  もうこれ以上、香奈美を裏切り傷つけるような真似だけはできない。   .
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